真宗大谷派宗議会
会派「僧伽(サンガ)」

2024 年 6 月 5 日
宗議会 一般質問
浜口 和也 議員
ハラスメントについて
一般質問
「人と人を繋ぎ、人を大切にする組織づくり」
「人を大切にする」とはどのようなあり方か」
「遠く離れた小さな声にも耳を傾け、一ヶ寺・一門徒に目を向けるあり方。
聞こえた声をそのままにせず、然るべき場や人へ届ける努力がなされること。」
これは、5 月 31 日に宗派ホームページにて公開された「行財政改革検討委員会報告」の組織機構改革小委員会における基本理念です。また、先の総長演説においても、「声なき声を聞く」ということが強調されています。ハラスメントによって声を上げられなくなった人、声を上げてもかき消されてきた人の声を聞いたものとして、質問いたします。
以前、ある議員の方が、宗派内のハラスメントに対してとても危機意識を持ったコメントをしておられます。それは、
「ハラスメント事案の多さに驚いています。宗務所は30年かけてハラスメント人材を育てているように感じることさえあります。ハラスメントを起こしたら解雇、人事降格するなど配置替えではすまないペナルティは必要だと考えます。そして本人が心から謝罪し相応の処分を受けた後、一定期間を経た後に活動する道は残すべきだと思います。いずれにしても身内の中で処分が決まっていきます。そこに風穴をあけることが仕事と考えています。」
というものです。これまで宗派内で起こったハラスメント事象に対して真摯かつ本気が感じられる素晴らしいコメントです。まさに、冒頭にあげた「聞こえた声をそのままにせず、然るべき場や人へ届ける努力」に順ずるものです。
ところが!!宗派内の現実はどうでしょうか?ハラスメントは起こり続け、相談体制も改善されているとは思い難い状況が続いています。
2023 年 7 月 3 日付けの『新潟日報』をはじめ、複数の報道関係等で「真宗大谷派・三条別院でパワハラ」という見出しの記事が掲載されました。この問題について私は、 2022 年 12 月に被害者より相談を受け、「どうすれば被害者が救済され、職場に復帰し、またハラスメント行為を行ったものが真摯に反省し、言動を改めるのか」を一緒に考えました。被害者は、職場の上司に相談してもきちんと問題として取り上げてもらえないとのことから体調を崩し、精神科を受診し、適応障害で 1 ヶ月の療養を要するとの診断を受けました。 その後も上司からは今後の方針等を知らされることもなく、周りの職員に対しても問題を周知することはありませんでした。
それを受けて、私は宗派相談窓口である「ハラスメント防止委員会」へ相談してはどうかと進言し、 12 月 20 日、ハラスメント防止委員会より、被害者への聞き取りが行われました。
しかしこのとき、加害者への聞き取りは行われませんでした。これは、聞き取りを行った委員からも「「宗務役員のハラスメントの防止に関する規定」では加害者の役職は対象外で、あなたには聞き取りができる」との話があり、制度上の問題があったことが確認されています。また、「外部や友人などへの相談は今後絶対しないように」と再三言われたことで孤立感が一層高まり、恐怖と不安に襲われました。
差別事件やハラスメント事象における相談の際の情報の扱いについては、誤った情報が流れ出ないよう充分な注意・配慮が必要だとの認識より、このような忠告をしたものと考えられますが、被害者に対してこの忠告は適切であったのでしょうか?ハラスメント防止委員会の見解をお聞かせください。
2023 年 2 月 14 日、ハラスメント防止委員会より 2 名の相談員が被害者への聞き取りを行いましたが、ここでも委員会そのもののあり方が問われる事象が起こります。相談員から被害者に提案した聞き取り時間なのに、業務を理由に相談員の 1 名が聞き取りの途中で帰ってしまいます。
またもう 1 名は「私が言うのもおかしいが、何故ここまでハラスメントが放置されたのでしょうね?」と、完全に他人事扱いの言動、さらに聞き取りの対象者であって利害関係のある上司と相談員が夕食に出かけるなど、この事実で被害者の不安はさらに募り、委員会への不信感が増大しました。のちの聞き取りで、ハラスメント疑念行動・具体的相談案件は 2015 年から 2022 年までに 14 件にも及ぶことがわかり、ハラスメントによって体調を崩し、退職を余儀なくされた方もいました。
このようなことが起こる背景には、防止委員会の組織体制が「身内」で行われることが問題であると考えますが、担当参務の所見を伺います。
さて、ここからは私自身が体験し、感じたことです。この問題の上司の処分について、不可解な点があったので、調査していました。
2023 年 6 月、上司には人事異動の内示が出され、 7 月 1 日付で別の教区へ異動となりました。
そして、 7 月 26 日付けで「管理職としてハラスメント事象に積極的な対応をしてこなかった」などの理由でハラスメントの判定が下され、処分が出されるのですが、この時すでに三条別院に籍がないのに、三条別院責任役員会で処分が出されました。
これについて、事前に宗派役職者に確認を取り、またかつての役職者にも尋ねたところ、「判定は出来るが、処分は出来ない」との回答をいただきましたが、結果として処分が決まりました。
異動によってすでに籍のないものを、前任地の規定で処分ができるのか?その法規的根拠はあるのか?お聞かせください。
「出来ないと言っていたことが決まったのはなぜか」と役職者に聞くと、「それは三条別院責任役員会で決めたことだ。それを私が言ったこととちがうじゃないかと言われても困る。役職者がこう言っていたなどと言われるようなら、あなたとは今後話が出来なくなる」という耳を疑うようなことを言われました。なぜ、私とは話が出来なくなるのでしょうか?
これこそ、ものを言えなくするパワーワードで、こういう言動がハラスメントの種となり、組織内に蔓延ってしまっているのではないかと非常に危惧します。他の役職者からも、「あまり出過ぎたことをしていると、潰されるぞ」とも言われました。
これは個人の性格的なものではなく、組織の中で役職者になると無意識に抱えてしまう体質となっていないでしょうか。今後、役職者研修でもこのことをきちんと抑え検証していただきたいと切に願います。
私は今期最年少の宗議会議員です。「あなたはまだ若いから、組織のルールをきちんと知り、気をつけて活動してくれよ」とのご心配を込めて忠告してくださったことと受け止めています。
しかし、このことは宗派組織の将来を考える上で絶対に隠してはならないと判断しました。
ここで取り上げたことでたとえ嫌われてしまっても、古い宗門体質に風穴を開けるため、また今もなお誰にも相談できず一人で抱え込んでしまい、悩み苦しんでいる方に元気を取り戻してもらうためにも、自分だけに留めてはならないとの思いです。
2016 年のパワーハラスメント及び労務問題がメディアでも大きく報道されて以降、宗務役員への応募が激減し、 2023 年度においては応募者が 11 人、採用に至っては 8 人という非常に危機的な状況です。
この背景には、宗務機関の仕事内容の分かりにくさや、採用の時期のずれもあるかと思いますが、やはり「ハラスメント事象がこの数年で何件も発生しているが、本当に安心して働ける職場なのか?」という大きな疑問が、応募者のみならず、そのご家族にもあるのではないかと考えます。
昨年の宗政調査会の折にも、職員の応募者数の減少とハラスメントの関係性を尋ねましたが、「宗務役員、職員たちは高潔で、そして人格もしっかりして、人一倍宗務に精励なされている方であります。人間ですからそういう方々が、職務に忠実なるがゆえにややもすると、ハラスメント行為に及んだということは、非常に残念な事案であると受け止めております」という答弁がありました。
こういう答弁 に象徴されますように、この組織内には「ハラスメントまがいのことをする人間のほうが仕事ができるし、情熱とやる気にあふれているからこそ、部下を叱責するし、仕事にも厳しいのだ」という声があります。
しかし、こういう発想こそいわゆる「アンコンシャス・バイアス」=無意識の偏ったものの見方、無意識の思い込みで、まさに「前時代の遺物」と言えます。役職者のみならず、自身のマネジメント能力を徹底して見直す必要が全宗門的に求められると考えます。
国や自治体においてもハラスメント防 止・根絶に向けた施策を講じ、企業においては被害者の救済はもとより、加害者に対する罰則や降格人事などが展開されています。
「宗門は世間の組織とはちがう」という言葉も再々聞いてきましたが、世間から「さすが真宗大谷派だ」と賞賛される組織作りを目指していけるよう、本気の取り組みを、全宗門をあげて行おうではありませんか。
まずはその第一歩として、総長名で「真宗大谷派ハラスメント根絶宣言」をおこない、『真宗』及び『同朋新聞』に大きく掲載し、強くリーダーシップを発揮していただきたいと思います。総長のご決意をお聞かせください。
